こどものせかい 2012年10月号 しあわせな ゆだねるちゃん 子どもの頃の私は、なかなか「ごめんなさい」を言いませんでした。がんこちゃんでした。自分の正しいと思うことに一直線だったので「うそはつけない」との言い分です。悔しくって泣いて、助けを求めて泣きじゃくりました。だけど、怒られて喧嘩したって、すぐに許されて、仲直りして、みんな好きなまま。嫌いになったりしません。思い通りにいかないことばかり、ひとりではどこにも行けないけど、楽しいことはいつも目の前にありました。 大人になり、自分の思うままにできるようになると、正しさは揺らぎだし、喧嘩になったら嫌いになったまま…。心の中は曇ったり雨が降ったりのお天気続き。どうして良いのかわからないことばかり。子どもは不自由だけど楽しい。みんなを信頼しているからだと思う。 今、私はイエスさまを一直線に信頼できるように。子どもの頃の幸せが今もなお続くように。
加藤潤子 にじのひろば ー 絵本づくりの仕事場より 2012年10月掲載 至光社
『にじのひろば』は、こどものせかいについている、おとうさま、おかあさま、先生がた向けの冊子です。 絵本の作者による「絵本づくりの仕事場より」のほか、編集者の方などによる「この絵本をめくりながら」、エッセイ、詩などが綴られています。 2020年度からは『ちいさなひろば』になっています。